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「賢く生きるには賢いだけでは足りないんです」
(「罪と罰」 ドストエフスキー)
「歴史が人に示してくれる最も重要な命題は「当時、先のことは誰にもわかりませんでした」ということかもしれない」
(「1Q84」 村上春樹)
「そういう脳死的な状態を進んで求める連中も世間には少なからずいる。その方がなんといっても楽だからね」
(「1Q84」 村上春樹)
「それぞれにみんないろんなことを気にして生きているんだ」
(「1Q84」 村上春樹)
「歴史とは集合的な記憶のことなんだ」
(「1Q84」 村上春樹)
「世界というのはね、青豆さん、ひとつの記憶とその反対側の記憶との果てしない闘いなんだよ」
(「1Q84」 村上春樹)
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久々にショックな展開になった作品。
テレプシコーラほどではないけど。
多摩美から博報堂入ってCMプランナーから漫画家に転身した作家の広告代理店(っていうか明らかに博報堂)舞台にした働く女子の漫画。働く女が共通で持っているだろう不安、孤独、喜びなどその他もろもろ、言葉ひとつで物事を収めない多角的な視点で描く世界がこれまでの恋愛至上主義の少女漫画を逸脱した作品になっていたりする。
伊東美咲主演でドラマ化したアレは偽物だから漫画お勧め。あんなドラマ全くこの作品のよさを理解してないから。
女子同士の会話の距離感がリアル。さっと結婚して家庭に入るタイプの女子は職場にはいないから、さっぱり女子同士の会話で適度な距離感がある。(本来渡辺とかはさっさと結婚しそうなんだけど、この子がまた結構とがってたりして美女のくせに中々結婚しなかったり、みんな不安を抱えている。)いろんなタイプの働く女が出てきて、みんな登場人物の誰かに共感できるはず。
今の日本の女子って、職場に完成した女の上司ってまずいなくて、いたとしても作中の平野みたいに未婚な上、左遷されてしまっていたりするのがどこの世界でも多いんだと思う。つまり、「ああはなりたくない」と思わせる女の先輩しかいないことが多いのだ。30代くらいの近未来ならいる。だけど40代超えるとほとんど未知の世界だ。
男社会でしなやかに生きる見本を見せてくれる人がいない。キャリアモデルもない。子供を生んでから働く方法も持ってない。男社会に入るって大変だ!
だってセクハラひとつとっても女の子的に「NG」と思っても男の多い職場で多数決取ったら男の意見で何でも「OK」になっちゃう。
男の言うおしゃれな格好って大体コンサバ(例えるなら蛯原ゆり)で、男が良いと思う服は仕事には向かない。そもそも、相変わらず日本企業の女性って「かわいくて扱いやすい」が重要だったり。逆に派遣事務とかで明らかに9時5時で帰りますオーラを出すならそういう武装の仕方のが良いだろうけど。(渡辺ってそういやコンサバ武装してないんだよね。その辺が悩みの種だったのかも)
とにもかくにも男にほめられるための武装なんてしないほうが良いに決まってる。恋愛対象になってどうする?藤井のように「かわいげないね」といわれるくらいで良い。だって、会社は合コンじゃないんだから。
周囲からは結婚しろといわれ、親からは「会社はあなたのために何もしてくれないんだから、帰っていらっしゃい」と確かに言われる人大半。なぜってほとんどの母親がバリバリ働いてはいなかったはずだから。
昔は基本女は腰掛OL、男に「大して役に立たない仕事」とか「くだらない仕事」と言われながらコピーとお茶くみして働いて、3年以内に寿退社、できなければ27歳でお局様と呼ばれる時代だった。男と同等の扱いを受ける私たちの親世代の女性はまれだし、そういうタイプの女性は母親になっていないケースが多いのではないか。なぜって?男のプライドは女に稼がれるだけで傷つくのだから。草分けの50代女性は大変だったはずだ。やっかみの度合いは出世した男のそれの比ではないだろう。当然、そんな女そこいらにほいほいいない。増えちゃった働く女子はみんな孤独だったりする。それが9巻の第一話。
藤井いわく「折り合いがつかない」。働く自分と、母親の背中を見て育った自分(将来こうなると予想していた自分ってとこかな?)。
で、本題のショッキング。水原の自殺。
表現の話になってしまうけど、伏線の張り方がうまかった。電車のホームで一瞬飛び降りるかと思った後にそんなことなくて、泣き崩れて、「なんだ大丈夫だ」と思わせ、藤井が立ち直らせたと思った矢先、いきなりラストに言葉だけで自殺したとなる。
うまい。絵の構図とか流れとかも込みでうまい。
さらに、自殺までの経緯。これかなりドキっとした。「やたらサクサク仕事進めて」「仕事が空洞化してた」っていうミズホの考察が当たりすぎてて怖くなった。(ミズホもそういう部分があるから気がついたんだろうけど)「執着とか思い入れがなくなっちゃってる感じ」。忙しいとついつい表面的になんでも処理しようとしちゃう。
忙しいという漢字は「心」を「亡くす」と書くとはいうけれど、本当にそうなんだと。忙しくて、つらいから、愛情とか執着とか思い入れとか、心の面倒な部分に付き合いきれなくて知らないまに水原は捨てちゃったんだろうね。多分、これってみんな少なからず経験してるんじゃないかな。機会みたいにサクサク仕事進めて終わって帰ったら彼氏が待ってるって理想の生活。
でも、実際は空っぽだった。水原ってまたプライドが高くて、苦しい部分を他人に悟られないようにしていたし、いろいろなものから目をそらしていたし強がっていた。(藤井とか柚木とかミズホもそうだよね。弱み見せるのが嫌)
この点藤井は仕事にものすごくまじめで思い入れがあるのが対比的に描かれる。でも、その藤井ですらこの事件をきっかけに、自分が立っている位置の不確かさに気づいてしまう。みんな不安なんだ。
あ~~でも、ホント、負け犬とか勝ち犬とかそんなのどーでもよくって、キャリアモデルのない私たちはどーしたらよいんでしょう?藤井はどーなるんだ?!という気持ちでもうずっとこの漫画読んでます。
テレプシコーラほどではないけど。
多摩美から博報堂入ってCMプランナーから漫画家に転身した作家の広告代理店(っていうか明らかに博報堂)舞台にした働く女子の漫画。働く女が共通で持っているだろう不安、孤独、喜びなどその他もろもろ、言葉ひとつで物事を収めない多角的な視点で描く世界がこれまでの恋愛至上主義の少女漫画を逸脱した作品になっていたりする。
伊東美咲主演でドラマ化したアレは偽物だから漫画お勧め。あんなドラマ全くこの作品のよさを理解してないから。
女子同士の会話の距離感がリアル。さっと結婚して家庭に入るタイプの女子は職場にはいないから、さっぱり女子同士の会話で適度な距離感がある。(本来渡辺とかはさっさと結婚しそうなんだけど、この子がまた結構とがってたりして美女のくせに中々結婚しなかったり、みんな不安を抱えている。)いろんなタイプの働く女が出てきて、みんな登場人物の誰かに共感できるはず。
今の日本の女子って、職場に完成した女の上司ってまずいなくて、いたとしても作中の平野みたいに未婚な上、左遷されてしまっていたりするのがどこの世界でも多いんだと思う。つまり、「ああはなりたくない」と思わせる女の先輩しかいないことが多いのだ。30代くらいの近未来ならいる。だけど40代超えるとほとんど未知の世界だ。
男社会でしなやかに生きる見本を見せてくれる人がいない。キャリアモデルもない。子供を生んでから働く方法も持ってない。男社会に入るって大変だ!
だってセクハラひとつとっても女の子的に「NG」と思っても男の多い職場で多数決取ったら男の意見で何でも「OK」になっちゃう。
男の言うおしゃれな格好って大体コンサバ(例えるなら蛯原ゆり)で、男が良いと思う服は仕事には向かない。そもそも、相変わらず日本企業の女性って「かわいくて扱いやすい」が重要だったり。逆に派遣事務とかで明らかに9時5時で帰りますオーラを出すならそういう武装の仕方のが良いだろうけど。(渡辺ってそういやコンサバ武装してないんだよね。その辺が悩みの種だったのかも)
とにもかくにも男にほめられるための武装なんてしないほうが良いに決まってる。恋愛対象になってどうする?藤井のように「かわいげないね」といわれるくらいで良い。だって、会社は合コンじゃないんだから。
周囲からは結婚しろといわれ、親からは「会社はあなたのために何もしてくれないんだから、帰っていらっしゃい」と確かに言われる人大半。なぜってほとんどの母親がバリバリ働いてはいなかったはずだから。
昔は基本女は腰掛OL、男に「大して役に立たない仕事」とか「くだらない仕事」と言われながらコピーとお茶くみして働いて、3年以内に寿退社、できなければ27歳でお局様と呼ばれる時代だった。男と同等の扱いを受ける私たちの親世代の女性はまれだし、そういうタイプの女性は母親になっていないケースが多いのではないか。なぜって?男のプライドは女に稼がれるだけで傷つくのだから。草分けの50代女性は大変だったはずだ。やっかみの度合いは出世した男のそれの比ではないだろう。当然、そんな女そこいらにほいほいいない。増えちゃった働く女子はみんな孤独だったりする。それが9巻の第一話。
藤井いわく「折り合いがつかない」。働く自分と、母親の背中を見て育った自分(将来こうなると予想していた自分ってとこかな?)。
で、本題のショッキング。水原の自殺。
表現の話になってしまうけど、伏線の張り方がうまかった。電車のホームで一瞬飛び降りるかと思った後にそんなことなくて、泣き崩れて、「なんだ大丈夫だ」と思わせ、藤井が立ち直らせたと思った矢先、いきなりラストに言葉だけで自殺したとなる。
うまい。絵の構図とか流れとかも込みでうまい。
さらに、自殺までの経緯。これかなりドキっとした。「やたらサクサク仕事進めて」「仕事が空洞化してた」っていうミズホの考察が当たりすぎてて怖くなった。(ミズホもそういう部分があるから気がついたんだろうけど)「執着とか思い入れがなくなっちゃってる感じ」。忙しいとついつい表面的になんでも処理しようとしちゃう。
忙しいという漢字は「心」を「亡くす」と書くとはいうけれど、本当にそうなんだと。忙しくて、つらいから、愛情とか執着とか思い入れとか、心の面倒な部分に付き合いきれなくて知らないまに水原は捨てちゃったんだろうね。多分、これってみんな少なからず経験してるんじゃないかな。機会みたいにサクサク仕事進めて終わって帰ったら彼氏が待ってるって理想の生活。
でも、実際は空っぽだった。水原ってまたプライドが高くて、苦しい部分を他人に悟られないようにしていたし、いろいろなものから目をそらしていたし強がっていた。(藤井とか柚木とかミズホもそうだよね。弱み見せるのが嫌)
この点藤井は仕事にものすごくまじめで思い入れがあるのが対比的に描かれる。でも、その藤井ですらこの事件をきっかけに、自分が立っている位置の不確かさに気づいてしまう。みんな不安なんだ。
あ~~でも、ホント、負け犬とか勝ち犬とかそんなのどーでもよくって、キャリアモデルのない私たちはどーしたらよいんでしょう?藤井はどーなるんだ?!という気持ちでもうずっとこの漫画読んでます。
大学の閉塞感がよくでてる。
妙なくくりで妙な名前がついてるとことか、大学特有の呼び名とかってどこの大学にもあったりするんだねぇ。等身大の国立大学生っぽい感じがなんともいえない。
アホらしさ加減は間違いなく日本の大学生(笑)
想像力の方はまだまだイマイチ。
ファンタジーとしての質の高さでいったらすごいのいっぱいあるからしょうがない。
妙なくくりで妙な名前がついてるとことか、大学特有の呼び名とかってどこの大学にもあったりするんだねぇ。等身大の国立大学生っぽい感じがなんともいえない。
アホらしさ加減は間違いなく日本の大学生(笑)
想像力の方はまだまだイマイチ。
ファンタジーとしての質の高さでいったらすごいのいっぱいあるからしょうがない。
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