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泣いた。
ほんとショックだった。
これだけ長い期間に渡って登場していたのに・・・・

従来のバレエ漫画(昔この作者も描いていたようなの)と違って
教育、“育てる”という立場に立ったかなり珍しい漫画。
この子はどう育てたらよいのか、
周りの大人が必死に考えて
自分なりの回答で子供を育てているという
なかなか面白い漫画。

従来のバレエ漫画はスポ根同様、主人公は自分より強い(上手い)キャラにコンクールとかで勝って次の相手が登場するのが定番的展開。ローザンヌが舞台になったりしやすい。(オリンピックみたいな世界一決定戦がないからやろうと思えばいくらでも長く連載できた。)

「SWAN」有吉京子、「アラベスク」山岸涼子あたりを読んでいた読者が親世代になった・・・ともとれる。


●知らないことは教えられない
千花が自殺するまでの状況、不安定な心理状態を丁寧におっている。
内容がタイムリーすぎて怖い。

怪我してできなくなってしまったときに
「大丈夫だよ、すぐ元通りになるよ」とか
「あんたなら平気でしょ」
みたいなこと言われるのって辛いんだよね。
元通りってまずありえないから(苦笑)
私も怪我する前は怪我した人の気持ちってぜんぜんわかってなくて
こういうこと平気で言ってたかもしれない。
だから悪意がないのはわかるんだけど・・・

たとえばこれが高校生くらいの子だったら、
耐えられなかったかも・・・。

子供の視野は狭い。
自殺の理由の答えはおそらくいじめではないのだ。

千花は怪我をしてバレエが踊れなくなったにも関わらず
周囲にバレリーナでいることを強要された。
母親も周りの大人もバレエ関係者ばかりで
彼女に人生における他の視点というものを教えることができなかった。

母親の嘆きに作者が伝えたいことが伝わってくる。

自分が知らないことは子供には教えられない・・・のだ。
医者は自分の息子を医者にしようとする。
歯医者の息子は歯医者になろうとする。
画家の娘は画家に、教師の子供は教師に、
スポーツ選手の子供はスポーツ選手に・・・

なぜなら、親が成功した道なら成功する可能性が高く感じまた、
イメージがつきやすいのではないだろうか。
親も自分の子供にはちゃんとした生活を生涯送ってほしいと思っているから
ちゃんとした生活をしている自分の人生を
子供に押し付ける傾向にある。

では、ちゃんとしたと親が思うような生活に
どれだけの回答例があるかというと
一つだけなのだ。

学校にちゃんと行く・・・というのも
大人たちが勝手に作った回答例で、
100人の子供が全員その回答を
出さなければいけないわけじゃない。

10人がいたら10通りの回答がある。
それが人生というもの。
学校は昔だったら・・・・・できた当初は、
親の職業から離れて別の選択肢も
あることを知る場所だったはずだ。
少なくとも、第三世界の学校には
そういう意義があるものになっている。
なのに、最近では視野が広がるどころか
狭まる場所になってしまった。

私は親の職業と全く正反対の職業に就いた。
深夜残業、徹夜に休日出勤・・・・就職当初はオヤジの猛反対にあった。
12時すぎに帰宅してそこから毎晩ケンカ。
さらに睡眠時間を削られて消耗する私を母親は心配していた。

23歳にもなってはじめて、親と本気で衝突した。
親と違うものになろうとしたわけではなかったけれど、
いつのまにか私は親の思考の範囲から出てしまっていた。

議論のはては「世の中に本当に貢献する職業は何か」
というところまでたどり着いた。
貢献する相手も不明確なままだけど
母親は「教育だ」という。(教師だからな・・・)
父親は「海外協力だ」という。(現在はNGO)

残念なことに私はデザイナーが生まれる家には生まれてこなかった。
ここから先は自力で考えなくてはならない。

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